白い時間

街中が何もかも蒼く沈み込み

激しい昼間の陽差しが 嘘のようです。

すべては 不確かな幻だよと言わんばかりに

夕風すうっと はかなげに吹けば

道沿いの窓明りが浮かび上がります。

懐かしい記憶を呼び覚ませよと言わんばかりに

暑い暑い一日の夕暮れは

季節も時間も途切れてしまう。

命を燃やした後の疲れと安らぎに似た

束の間の白い時間です。