そういう時

終わり行く秋の中で

紅葉はこんなにも美しい

燃えるように紅い

深く深く紅い

散り行く刹那の美しさだろうか

でもそんな哀しみは露ほどもなく

燃えるように紅い

強く強く紅い

訪れる冬は

終わりの時でも眠りの時でもない

季節はスルスル連なって

生命はスルスル連なって

今はただ

そういう時なのだと

木々の声がした